安置
ご遺体の安置先へ到着したら、ご遺体を布団へ寝かせてご安置します。
葬儀社の持っている葬儀場に併設してある安置室・霊安室などにご遺体を搬送する場合には、そこのスタッフがお迎えに出て来て、ご遺体の安置を全てやってくれるでしょう。
ご自宅へ搬送する場合には、
ご遺族の方々にも安置の手伝いをお願いすることになるでしょう。
葬儀場の安置室は、もちろんご遺体の安置専用のお部屋なので、
布団などの準備は全て整い、ご遺体を布団に寝かせるだけなのですが、
ご自宅では、まず安置する場所を確保するところから始めなければなりません。
部屋を片付けるのはもちろん、家具を動かす必要もあるかもしれません。
安置する部屋は、一番広い和室がいいでしょう。
2階や、奥まった部屋は避けた方がいいです。
訃報を聞きつけて、親戚や隣人がお悔やみに駆けつけてくるためです。
布団は、北向きに頭がくるように敷きます。
「死んだら北枕」というのは、多くの人が認識している葬儀の常識の一つですが、
何故だか知っていますか??
これは、お釈迦さまが亡くなられた時の姿になぞらえているのです。
お釈迦さまは頭を北に向け、顔を西に向けて亡くなられました。
そのため、部屋の間取りによってどうしても北枕が不可能な場合には、
西向きに頭がくるように安置するとよいのです。
これはもちろん、お釈迦様に関することなので、仏教だけです。
ご遺体を安置する部屋は、なるべく涼しく保ちます。
夏なら冷房で涼しく、冬なら暖房を控えめにします。
これはご遺体の傷みを最小限にするためです。
ご遺体にかけてあげる布団も、分厚い羽根布団などは避けて、薄いものにします。
また、
安置した際、葬儀社さんがドライアイスを用意してくれます。
身体の上にドライアイスを乗せていく様は、なんとも重苦しくかわいそうに見えます。
冷たい身体がますます冷たくなってしまう事も、遺族の心情としては辛いばかりです。
ですが、最後の最後のお別れの時まで、キレイな姿を保つためなので、
理解しなければいけないところです…
地方によっては、この時掛け布団を頭側と足側を逆にしてかける風習があるそうです。
死後の世界は、この世とはまったく「逆」の世界であるという考えで、
様々なものを「逆」にしていくという習わしはよく見られます。
ご遺体を安置した頭元に逆さにした屏風を立てる「逆さ屏風」もよく聞きます。
屏風は故人を悪霊から守るために立てるそうです。
それと同じ意味で、
故人の身体の上に「守り刀」といって、短刀など刃物を置く風習もあります。
それにしても、葬儀にまつわる風習ってたくさんあるものです…
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